「離婚したのに元夫(元妻)と共有名義のままで家が売れない」
「相続で兄弟と共有名義になったが、全員の合意が取れない」
「共有者の一人が行方不明で連絡がつかない」
共有名義の不動産は、共有者全員の合意がなければ売却できないというルールがあります。これが原因で、物件を手放したくても手放せない状況に陥る方が非常に多いです。
私は不動産業界に35年携わってきた宅建士です。マンションオーナーとして賃貸経営もしており、共有名義のトラブルを何度も見てきました。
この記事では、共有名義の不動産を処分する方法と、全員の合意が取れない場合の解決策を解説します。
📌 この記事でわかること
- 共有名義の不動産が売りにくい理由
- 全員合意で売る方法・合意なしで売る方法
- 自分の持分だけを売る「持分売却」という選択肢
- 離婚・相続別の対処法
- 持分買取を依頼する業者の選び方
共有名義の不動産が売りにくい理由
民法の規定により、共有不動産の売却には共有者全員の同意が必要です。たとえ自分の持分が過半数を超えていても、一人でも反対する人がいれば売れません。
共有名義になりやすいケース
- 離婚:夫婦で購入した家が共有名義のまま残る
- 相続:親が亡くなり、子ども複数人が相続して共有になる
- 共同購入:兄弟・親族などで共同購入した物件
⚠️ 放置するとさらに複雑になります
共有名義の状態で共有者が亡くなると、その持分がさらにその相続人に引き継がれます。世代を超えるほど権利関係が複雑になり、売却がどんどん難しくなります。早めに対処することが大切です。
共有名義の不動産を処分する4つの方法
方法① 全員合意の上で売却する
最もシンプルな方法です。共有者全員が売却に同意した場合、通常通り不動産会社に仲介を依頼して売却できます。売却代金は持分割合に応じて分配します。
全員が同意できるなら、この方法が一番高く売れる可能性があります。
方法② 他の共有者に自分の持分を売る
他の共有者に自分の持分を買い取ってもらう方法です。相手が買い取ることで単独名義になり、その後の売却・活用がしやすくなります。ただし、相手に購入資金がある場合に限られます。
方法③ 裁判所に「共有物分割請求」を申し立てる
合意が取れない場合、裁判所に共有物分割請求を申し立てる方法があります。裁判所が競売や分割の方法を決定しますが、時間・費用がかかり、最終的に安値になることが多いため最終手段です。
方法④ 自分の持分だけを買取業者に売る ← 最も早い
他の共有者の同意なしに、自分の持分だけを買取専門業者に売ることができます。民法上、持分の売却に他の共有者の同意は不要だからです。
| 項目 | 全員合意で売却 | 持分のみ買取 |
|---|---|---|
| 他の共有者の同意 | 必要 | 不要 |
| 売却スピード | 相手次第(長期化も) | 最短数日〜数週間 |
| 売却価格 | 持分×市場価格 | 持分×市場価格の50〜70% |
| トラブルから解放 | 合意まで解放されない | すぐに解放される |
💡 横道ソボのひとこと
離婚後に元配偶者と連絡を取り続けなければならないストレスは相当なものです。価格より「早くこの状況から解放されたい」という気持ちが強い場合は、持分買取が最善策です。
離婚・相続、状況別の対処法
💔 離婚で共有名義の家が残っている場合
離婚時に共有名義の家をどうするかは、財産分与の問題と絡みます。主な選択肢は以下の3つです。
- どちらかが住み続け、相手に持分を買い取ってもらう
- 二人で合意の上で売却し、売却代金を分ける
- 合意できない場合は自分の持分だけを買取業者に売る
📌 住宅ローンが残っている場合は注意
ローンが残っている場合、金融機関の同意なしに売却できないケースがあります。オーバーローン(ローン残高が売却価格を上回る)の場合は任意売却という方法も検討してください。
👉 ローンの返済が苦しい場合の対処は 「住宅ローンの返済がきつい!やってはいけないこと5選」 をご覧ください。
🏠 相続で複数人が共有名義になっている場合
相続で共有名義になった場合、遺産分割協議で全員合意の上、誰かが単独取得するか、売却して現金で分けるかを決めます。
合意できない場合は、自分の持分だけを買取業者に売ることで、少なくとも自分だけは早期に現金化できます。
持分買取を依頼する業者の選び方
共有持分の買取は一般の不動産会社では扱っていないことが多く、訳あり物件を専門とする買取業者に相談するのが現実的です。選ぶ際は次の3点を確認してください。
① 宅建業免許・会社情報を確認する
悪質な業者を避けるため、宅地建物取引業の免許番号と会社情報(所在地・実績)は必ず確認しましょう。
② 共有持分の買取実績があるか
持分買取は権利関係の調整ノウハウが必要な分野です。弁護士・司法書士と連携している業者だと、離婚・相続のトラブルが絡む場合も手続きがスムーズです。
③ 査定が無料か・全国対応か
査定は無料・断っても費用ゼロが基本です。2〜3社に査定を依頼して比較しましょう。
👉 業者選びの詳しいポイントは 「訳あり物件の買取業者の選び方」 でも解説しています。
よくある質問
持分だけ売ると、他の共有者に迷惑がかかりますか?
法律上は持分の売却に他の共有者の同意は不要です。ただし、第三者(買取業者)が新たな共有者になることで、他の共有者との関係が変わる可能性があります。状況に応じて専門家に相談することをおすすめします。
持分が少ない(例:10%)でも買取してもらえますか?
持分割合が小さくても買取対応してもらえる場合があります。まずは相談してみましょう。
住宅ローンが残っている状態でも売れますか?
ローンが残っている場合は状況が複雑になります。売却代金でローンを完済できるかどうかで対応が変わるため、まずは金融機関と買取業者の両方に相談することをおすすめします。
相続放棄した後でも共有名義の問題は残りますか?
相続放棄をした場合、その相続分は他の相続人に引き継がれます。全員が放棄した場合は相続財産管理人の選任が必要になるなど、複雑になります。早めに弁護士や司法書士に相談してください。
まとめ
共有名義の不動産は「全員の合意が必要」というルールがあるため、一人でも反対すると売れません。しかし解決策はあります。
- 全員合意ができれば通常売却が最も高値になる
- 合意が取れない場合は持分のみの買取が現実的
- 放置するほど権利関係が複雑になるため早めの対処が重要
- 共有者が行方不明でも、自分の持分だけなら売れる
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