【実例解説】マンションご近所トラブル騒音問題。どこに相談?警察は?




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マゴピー

ご近所さんから毎日大きな音がするんだ
ソボちゃん、何とかならないかな?

ソボちゃん

それは大変だよね~
解決に向かって頑張ってみるね

  • ご近所の音が気になる
  • 苦情を言うのはなんとなく怖い
  • 自分も迷惑をかけていないか不安

そんな悩みを抱えていませんか?

騒音トラブルって毎日の生活に関わることだから大変ですよね。

ご近所との騒音トラブルは一度起こってしまうとどんどんとこじれて解決が難しくなります。

大切なのは先手を打ってトラブルにまで発展しないようにするのが一番です。

マゴピー

でも一体どうすればいいのかわからないよ~

私は管理業務主任者として、20年マンション管理のフロントマンとして働いています。

そんな私が今までに経験した騒音問題のトラブルについて実例と共にお話していきます。

騒音トラブル問題はお互いの状況にもよりますし、答えは一つではないのですが、それでも何もしないのも納得できない方に是非知っておいて頂きたい内容となっています。

最後まで読めば、騒音トラブルがいかに些細なきっかけで始まってしまうことがわかります。

騒音問題は人間の心理的なものが大きく関係しています。

ある程度は未然に防ぐことが出来ることもわかります。

✔記事の結論

  1. 騒音トラブルは人間の心理の問題である
  2. 理由がわかっていれば人は納得する(出来る)
  3. 音を出さず生活をするのは無理なのでお互い様という気持ちを持つ
ソボちゃん

管理会社として実際に体験した話です
参考になれば嬉しいです

目次

マンションの騒音問題の始まり

ご近所トラブルは些細なことから始まっていきます。

1階の一人で暮らすご高齢の男性(Aさん)は、2階に母親と暮らす若い男性(Bさん)が夜遅くにシャワーを浴びることに腹を立たれました。

なので2階のBさんが夜にシャワーに入ると1階のAさんが下から天井を棒のようなものでゴンゴンとつつくようになりました。

2階のBさんは「仕事が終わって帰宅するのがこの時間なんだから仕方ないだろ」と思っていましたが、しつこくつついて来られるので、仕方なく2階のBさんは夜のシャワーを諦めて朝に入るようにしました。

ですが、なぜか一度火がついた1階のAさんは下から床をつつくことを止めなくなりました。

(まさかの習慣化でしょうか!?)

騒音トラブル 対策方法

管理会社へ連絡する

直接文句を言うのはなんとなく気がひけるのでBさんは管理会社へ連絡をしました。

管理会社はAさんに連絡をしますが、電話に出ません。

手紙を出しましたが、それも読んでいるのか読んでいないのかわからない状態です。

基本、管理会社は住民同士のトラブルに関わることは業務に入っていません。

しかし、他人に迷惑になるような音や行動(共同利益に反する行為)の注意は文書等で呼びかけてくれます。

賃貸マンションと分譲マンションの違い

1棟全てが賃貸用のマンションとして作られている「賃貸マンション」は基本一人のオーナーで、

一部屋ずつ販売されている「分譲マンション」は部屋の数だけオーナーがいます。

分譲マンションでも各オーナーが自分の部屋を貸している場合は「賃貸」になるので、その部屋を借りている賃借人が他の住民に迷惑になる行為(共同利益に反する行為)を行えばオーナーが責任を持って対処(賃貸借契約を解除する等)しなければなりません。

今回の場合は「分譲マンション」のオーナー(区分所有者)同士のトラブルです。

賃借人ならば最終手段として退去してもらうという事もあり得るのですが、区分所有者同士の場合はお互い「持ち家」になるので簡単にどちらかが引っ越すということもできない状況でした。

直接文句をいう

毎日毎日下からつつかれるBさんはしびれを切らして直接Aさんの家に怒鳴りこんでいきました。

ですが、Aさんはいくらインターホンを鳴らしても出てきません。

手紙をドアにはさみこんだりしましたが、一向に騒音行為は止まりませんでした。

警察へ連絡する

Aさんの行為は日に日にエスカレートしていき、つつく音が段々と激しさを増していきました。

その頃にはBさん宅だけでなく周りのお部屋にまで響くほど大きな音(バットか何かで壁か天井を叩いているかのような音)になっていました。

たまらなくなったBさんは警察に連絡しました。

しかし、警察はこのような民事のトラブルには関与してくれません。

「管理会社に相談して下さい」と言いますが、管理会社もこれまでに色んな手で接触しようとしていました。

しかし、訪ねても出て来てくれませんし、電話も出ませんし、手紙にも無反応でした。

ストレスで参っているBさんは「いっそケンカにでもなってAさんが僕に手を出してくれたら警察に捕まえてもらえるのに・・・」とまで言うくらい追い込まれていました。

市役所へ連絡する

この頃には住民の皆さんは、「Aさんの行動は何かおかしい。ひょっとしたら高齢なので認知症もありえるかもしれない」という考えになり市役所の包括センターへ管理会社と共に相談に行きました。

私達は先ずAさんに身内の方がいらっしゃるのか調べてもらえないかとお願いしましたが、それは個人情報の関係で無理でした。

市が出来ることは高齢で一人暮らしの方の安否確認だけであり、トラブル介入は出来ないと言われました。

なので民生委員さんに定期的な訪問をお願いをしましたが、やはり応答はないという事でした。

消防署へ連絡する

ここまで既に1年が経過しています。

その間、毎日天井や壁を叩く音が鳴り響いていましたが、数日間、音がしなくなりました。

逆におかしいと近所の方から連絡があり、警察を呼んで、そこから消防署にも連絡して来てもらいました。

消防署へ連絡するのは警察です。

「ひょっとしたら中で倒れているのかもしれない」と消防のレスキュー隊がベランダに回り窓ガラスを叩くと

Aさんは怪訝な顔をして姿を見せたようです。(窓は閉まったまま)

結局、ご無事でしたが、警察や消防が来ても窓はおろか玄関ドアは開けてくれませんでした。

逆にこんな騒ぎになっているのを不快に思ったのかそこから更に騒音が大きくなっていきます。

保健所へ連絡する

この間にも何度も訪問、文書配布等行ったのですが応答はしてくれません。

なので保健所へ行き、「認知症の疑いのある男性を一人で置いていて大丈夫なのでしょうか?」と相談をしました。

その場には保健所の職員さんと精神科のお医者様がいらっしゃいましたが、

「本人からの要請がない限り動けない」との事でした。

「では、本人に自覚がない場合はどうしたらいいのか?」と思いましたが、やはり一人の人間を本人が希望してもいないのに無理やり強制的に病院へ連れてはいけませんでした。

内容証明を出す

理事会でこのような出来事が起きているということを後々の為にも公的にも証明しておこうと内容証明を送付しました。

ですが予想通り、受取りはされず保管期間が過ぎたので返送されてきました。

弁護士に相談する

無料弁護士相談にも行ってみると、以下の流れになると言われました。

①規約・使用細則の確認

②証拠を取る(ICレコーダーで1日分)

③Aさんの行動を確認する

④民事調停

⑤民事訴訟

この中で証拠を取ることに関して近隣の住民の方の協力が不可欠でした。

音が鳴った時間を記録し続けてもらっていましたが、その音というのが一日に数回「ゴン!」という短い音なので中々録音できないのです。

ずっと大きな音が鳴っているのではなく、一日数回いつ鳴るかわかないタイミングで「ゴン!」という短い衝撃音が発せられるのです。

説明が難しいですが、一瞬の衝撃音なのですが、隣の部屋の仏壇の位牌が倒れるような音なので住んでいる人はビックリしますし、それが毎日数回となるとはかりしれないストレスになっています。

結局、証拠集めも難しく、証拠として提出しても訴訟で満足のいく結果に繋がらないであろうと判断した理事会はAさんと直接会って話し合うしかないと決断しました。

Aさんが買い物などで表に出ることもあるので、それをみんなで見張ってAさんをつかまえて話し合いをもとうとしましたが、結局Aさんとは会えずじまいでした。

騒音問題の解決(終わり)

上記の通りやれることは全てやりつくしましたが、結論からいいますと騒音問題の解決(終わり)は「Aさんの死」でした。

住民の皆さんから「しばらく音がしない」という連絡が管理会社に入り、管理会社も水道検針をしてもメーターが動いていないことをおかしく思い、ずっとやりとりしていた市役所の包括センターの方へ連絡をしました。

包括センターの方もその間、訪問をして下さっていたのですが異臭をおかしく思っていたそうです。

元々ゴミ捨てもされていないAさんだったのでゴミの異臭かと思っていたのですが、どうやら違っていたみたいです。

すぐさま警察に連絡をして来てもらった瞬間に「あ、これは多分、中でお亡くなりになられてますね」と言われました。

(ゴミの異臭と遺体の異臭の違いは経験者にはわかるようです。)

消防に来てもらいベランダ側の窓を破って中に入って頂きご遺体を発見しました。

その後

数年に渡り騒音トラブルを起こしていたAさんでしたが、結果的にその音がしなくなることでご自身の死を周囲に知らしめる結果となりました。

ひょっとしたら長い間、ずっと一人で暮らしておられたのでこんな事ででも周囲と関わっていたかったのかもしれません。

後に天涯孤独だと思っていたAさんに、昔に離縁された奥さんと息子さんがいることが警察の調べでわかりました。

(身内がいらっしゃるかどうかは結局亡くなられた後に警察が調べない限りはわかりませんでした。)

急な報せに奥さんも息子さんも戸惑っておられましたが、後日そのマンションを相続をされることを決断され対応をして頂きました。

本来なら今まで散々迷惑をかけられた住民の皆さんなので、ご遺族に何か言いたいこともあるのではないかと思いましたが、亡くなられた方に対して誰も悪い事は言われなかったのは皆さん本当に出来た方々だなと思いました。

その他の騒音トラブルと対策方法

その他の騒音の苦情として多いものは下記の通りです。

上の部屋からコンコンと壁を叩く音がする

下の部屋の方から「上の部屋からコンコンと壁を叩く音がします。お風呂場の上のような気がして漏水とかにならないか心配です」というご連絡を頂きました。

上の方に連絡としてみると、日曜大工で棚を作られていただけなのですが、何もわからない人がその音を聞いていると壁を壊しているんじゃないかとか不安になるみたいです。

その場合は管理会社が上の階の方から事情をお聞きして、下の階の方にご説明をさせて頂きます。

何をしてるかがわかれば人は安心します。

なので少しでも音が出る工事等をする場合は管理会社に連絡して、周囲に周知していてもらうと苦情は無くなります。

上の部屋の人の足音がうるさい

これは建物の構造上、ある程度はお互い様ということで我慢しなければならない範囲だと思いますが、板張りの床の上に絨毯やラグを敷くなどで若干音を抑えることもできます。

しかし、上の階の方に「絨毯を敷いて下さい」とは誰も言えませんよね。

そのような苦情があるということを管理会社に周知してもらって各自が自主的に対策をしてもらうしか方法がないです。

逆にご自身も音を立ててるかもと気になる方ならば敷いてみるのも一つだとは思います。

引き戸の開け閉めの音がうるさい

これも滑りが悪くなっていると音がする場合があります。

敷居すべりのテープを張り替えることで解消されることもあります。

こちらも他人に「張り替えて下さい」とは中々言えないものです。

こちらもこのような苦情があるということを管理会社に周知してもらって各自が自主的に対策をしてもらうしか方法がないです。

逆にご自身も音を立ててるかもと気になる方は貼りなおしてみてはいかがでしょうか?

早朝に洗濯機や掃除機を回すのをやめてほしい

こちらもそれぞれの人の生活のペースがあるので中々言えないことです。

ですが明らかに真夜中に音を立てるなどの行為はマンションの「使用細則」等でルールを作ることも可能です。

一度ご自身のマンションの管理組合にご相談されてもいいと思います。

まとめ

①騒音問題は人間の心理の問題である

騒音問題は人間の心理と深く結びついています。

自分には理解できない音もその人にとっては何か意味のある音なのかもしれません。

中には無意識に出している音もあるでしょうが、そこから怒りや憎しみ、寂しさ、承認欲求などにも繋がっていくこともあります。

②理由がわかっていれば人は納得する

人はわからない事に怯え、不安を持つ生き物です。

予め大きな音を出す時は周りに周知するのが大切です。

そして出来る限り必要最低限のマナーを守って工事時間等を設定して下さい。

③音を出さず生活をするのは無理なのでお互い様という気持ちも持つ

人は生活をする上で音を出さずに暮らすことは出来ないのですから、「お互い様」という気持ちも忘れないで下さい。

マンションとは沢山のお部屋が集まっている集合住宅ですのでご理解頂けることを願います。

どうしても我慢できない時はストレスで体調を崩す前にお引越しを考えることも一つの手です。

(被害を受けてる側がなぜ出て行かなければならないのかと思われるでしょうが、色々な騒音トラブルを見て来られた警察の方からそれが一番の対策だと言われました)

マゴピー

人の音も気になるけど自分も気をつけなくちゃいけないね
ボクもフラメンコの練習は外でするようにするよ

ソボちゃん

人はわからないものに不安になるので普段からご近所の方とコミュニケーションがあれば「ちょっと今日音出るけどごめんね」と言われたら大丈夫ってこともあるんだよ

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