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うちのマンション
築年数も古くなってきたし
そろそろ売った方が
いいのかしら?
築年数の古いマンションを持っていて、そろそろ売ろうかと考えていませんか?
そんなとき、多くの人は築年数や相場を気にされます。
もちろんそれも大事です。
ただ、もうひとつ見ておくべきものがあります。
修繕積立金です。
私は不動産業界で35年働き、今はマンション管理の仕事をしています。
持っている資格は、宅地建物取引士、マンション管理士、管理業務主任者の3つです。
そして、マンションが売買されるたびに「管理に係る重要事項調査報告書」を作成する側にいます。



管理に係る重要事項
調査報告書?
初めてきいたわ
そのマンションの健康診断書のようなもの、と言えば分かりやすいでしょうか。
その立場から、正直にお話しします。
私が丁寧に作ったその書類を、ほとんど誰も見ていません。



だからこそ、売る側の
あなたには見てほしいのです
この記事の結論



先に答えから
お伝えしますね
- 修繕積立金の値上げは、買い手にとって「毎月の固定費が上がる」ことを意味します
- 値上げには総会での決議が必要です。長期修繕計画を見れば、上がる時期はある程度読めます
- 私の物件は、管理費と合わせた毎月の負担が9,000円ほどから13,680円へ上がりました
- マンションの管理状態は「重要事項調査報告書」という書類に記載されています。ただし見ている人はほとんどいません
- 投資目的の所有者が多く、滞納が何年も繰り越されている管理組合は危険です
- 大規模修繕の直前・直後で、売りやすさに大きな差は感じません


修繕積立金は、売却価格にジワジワ効いてきます
<私の場合>毎月の負担が9,000円台から13,680円になりました
私は京都にワンルームマンションを所有し、賃貸に出したのち2025年に売却しました。
築37年、専有面積は17平方メートルほどの部屋です。
保有している間に、修繕積立金の値上げが一度ありました。
| 時期 | 管理費と修繕積立金の合計(月額) |
|---|---|
| 値上げ前 | 9,000円ほど |
| 売却時(2025年) | 13,680円 |
金額にしておよそ5,000円の値上がりです。
年間にすれば6万円。
決して小さくありません。
そして私は、この値上げを見て「そろそろ売ろう」と考えました。



どうして?
これから先、まだ上がっていくだろうと分かっていたからです。
買い手にとっては「家賃のような固定費」
売主にとって修繕積立金は「毎月払っているお金」ですが、買い手にとっては「これから毎月払い続けるお金」です。



見え方がまったく
違うのです
特に投資目的で買う方は、この数字に敏感です。
毎月の固定費が上がれば、その分だけ手元に残る利益が減るのですから当然です。



不動産投資家としては
固定費は少しでも
下げておきたいな
修繕積立金が上がると、投資家の目は厳しくなります。
つまり値上げが決まったあとに売り出すと、買い手の候補がその分だけ減るということです。
(ちなみに値上げの予定があるかどうかも重要事項調査報告書に書いています)
売却価格に静かに効いてくる、というのはそういう意味です。
売るか持ち続けるかで迷っている方は、マンションは売るか貸すかどっちが得?もあわせてご覧ください。
値上げはいつ決まるのか。長期修繕計画を見ればわかります
値上げには、総会での決議が必要です
修繕積立金の金額は、管理会社が勝手に決められるものではありません。


マンションの総会で決議されて、はじめて変更されます。
裏を返せば、ある日突然上がることはないということです。
値上げの前には必ず議論があり、資料が配られ、総会の議案になります。
総会の議案書がどんなものかは、マンション臨時総会の議案書の実例で実物を紹介しています。
鍵になるのは「長期修繕計画」です
修繕積立金とは、大規模修繕工事を計画的に行うために、みんなで積み立てているお金です。
だから大切になるのが長期修繕計画です。



長期修繕計画って
聞いたことないわ
長期修繕計画とは、「何年後にどの工事をして、いくらかかるか」を書いた設計図のようなものです。



長期修繕計画は
ここを見てください
- 計画に沿って、段階的に金額を上げていく設計になっているか
- その通りに、実際に積み立てが進んでいるか
- 数年先の積立金の残高が、工事費に足りる見通しか
計画がなくても、残高が乏しければ必ず上がります
もし長期修繕計画そのものが無い場合はどうでしょうか。



うちのマンションには
長期修繕計画はないみたい
答えははっきりしています。
何年か先に積立金の残高が乏しくなることが見えている場合、金額は必ず上がります。
計画がないというのは、上がる時期が読めないというだけで、上がらないという意味ではありません。
積立金が足りないマンションに何が起きるかは、修繕積立金が足りないマンションはどうなる?で詳しく解説しています。
誰も見ていない書類があります
私は、その書類を作る側です
マンションが売買されるとき、仲介会社は管理会社に対して「管理に係る重要事項調査報告書」を請求します。



見たことないかも?
この書類には、そのマンションの管理の実態が書かれています。
- 管理費と修繕積立金の月額
- 修繕積立金の残高
- 滞納の状況
- 長期修繕計画の有無と内容
- 過去に行った修繕工事の履歴
- 駐車場や駐輪場の状況





私はこの書類を
作成する側の人間です
私が管理しているマンションは、丁寧に計画を立て、着実に修繕積立金を積み立てています。
ですから自信を持ってお出しできる数字が入っています。
ところが、その数字を見る人がほとんどいません
正直にお伝えします。
そこを見る業者も、お客さんも、ほとんどいません。



えっ、せっかく作った書類なのに
誰も見てないの…?
長期修繕計画に沿って何年後に大きな工事をする予定です、と口頭でお伝えすることもあります。
ただ、その内容が買主にどこまで伝わっているかは分かりません。
肌感覚として、そこを重要視していない業者やお客さんが多い気がしています。



さらりとと流し読み
されている感覚です
これは売主にとって、良いことでもあり、悪いことでもあります。
だからこそ、売る前に自分で見てください
管理状態の良いマンションを持っている方にとっては、アピールできる材料が眠っているということです。
「積立金がしっかり貯まっていて、長期修繕計画も整っています」と伝えられれば、買い手の安心材料になります。



案外うちのマンション
良いマンションだったんだ!
逆に管理状態が良くないマンションなら、その事実を早く知って、売却のタイミングを考えるべきです。
書類は管理会社に請求すれば取得できます(手数料がかかる場合があります)。



一般的には仲介で入る会社が
契約書や重要事項説明書を
作成するために費用を
払って依頼してきます
所有者であれば、本来、毎年行う通常総会で収支報告もありますのでそこで確かめることができます。
売り出す前に一度、自分の目で確かめてみてください。
危ない管理組合の見分け方
管理組合の状態は、そのままマンションの将来につながります。
管理の現場から見て、危険だと感じるサインをお伝えします。



なんだか怖いわ
サイン1. 投資目的の所有者が多い
実際にそのマンションに住んでいる区分所有者(部屋の持ち主のことです)は、自分の家だという自覚があります。
だから管理組合の運営にも、お金の使われ方にも関心を持ちます。
一方、投資が目的で部屋を人に貸している所有者はどうでしょうか。
こういう方が多いマンションは、管理組合の運営に無関心になりがちです。



私が住んでるのは
遠方だしな…
総会にもほとんど出席しません。
総会の出席率が極端に低いマンションは、この状態にある可能性があります。
サイン2. 滞納が何年も繰り越されている
これが最も危険なサインです。
管理費と修繕積立金の回収は、一般的に管理会社の仕事です。
そのため管理組合の役員は滞納に関心が薄くなりがちです。
ところが、です。
管理会社がするのは、ある程度の催促まで。それ以上の責任は取りません。



え?そうなの?
管理会社が督促して
くれてるんじゃないの?
本格的な督促や法的手続きは、管理組合自体が動かなければ進みません。
その結果どうなるか。
何か月、何年分もの「集められていないお金」が積み上がっていくのです。
そして、それを誰も問題にせず、毎年繰り越されているだけの管理組合は非常に危ないと私は考えます。
積み立てられるはずのお金が入ってこないまま、工事の時期だけが近づいてくるからです。
滞納の状況は、先ほどの重要事項調査報告書にきちんと書かれています。



実はこれが
いちばん怖いサインです
サイン3. 収支報告に誰も質問しない
総会で収支報告(お金の出入りの報告)がされても、質問がひとつも出ない。
役員のなり手がいない。
こうした状態が続いているマンションは、管理が形だけになっている恐れがあります。
危ない管理組合チェックリスト
□ 投資目的の所有者が多く、総会の出席率が低い
□ 管理費や修繕積立金の滞納が、何年も繰り越されている
□ 総会で質問が出ない。役員のなり手がいない
ひとつでも当てはまるなら、売却も選択肢に入れて考えてみてください。
管理組合が機能しなくなったマンションの行き着く先については、マンションが廃墟化する原因とは?で実例を紹介しています。
大規模修繕の前と後、どちらが売りやすいのか



大規模修繕工事の前と後では
どちらが売りやすいのかしら?
大規模修繕は、車の車検に似ています
大規模修繕工事を行うと、そこから10年から15年ほどは次の工事がありません。
だから修繕積立金を見直す話も出にくくなります。
車の車検を通した直後の中古車のようなもの、と考えると分かりやすいかもしれません。
工事後は見た目がきれいになります
外壁が塗り直され、共用部が整うので、建物としての人気は上がると思います。
逆に工事の直前に購入すると、実際に工事が始まってから数か月間、足場や工事用のシートで建物が覆われた状態が続きます。


窓の外がシートで塞がれるので、住む方にとっては少しうっとうしい環境になります。
ただ、正直に言えば大きな差は感じません



ここは本音でお伝えします
大規模修繕工事の直前と直後で、売りやすさがそこまで変わると感じたことはありません。
工事のタイミングを待って、売却を先延ばしにする。
それよりも、修繕積立金の値上げが決まる前に動くほうが大事だと私は考えています。



ここは正直に
お伝えしておきますね
よくある質問



まだ聞きたいことが
あるのだけど
Q. 重要事項調査報告書は、売主でも取得できますか?
A. 管理会社に請求すれば、取得できるのが一般的です。
ただし手数料がかかる場合があります。管理会社によって対応が違うこともあります。
まずは管理会社に問い合わせてみてください。
管理組合の役員をされている方なら、総会の資料からも多くのことが分かります。



役員をされている方は
実は情報を持っている側なんです
Q. 修繕積立金が高いマンションは、売りにくいのでしょうか?
A. 毎月の負担が増えるので、買い手が慎重になる要素ではあります。
ただし「高い」こと自体が悪いわけではありません。
むしろ、計画的に積み立てられている証拠でもあるからです。
本当に気をつけたいのは、安いまま放置されていて、これから大きく上がることが確実なマンションのほうです。
Q. 値上げが決まる前に売るには、どうすればいいですか?



そこが一番知りたいところだな
A. まず、長期修繕計画と積立金の残高を確認します。
見るのは「次の大規模修繕がいつで、そのときにお金が足りそうか」です。
足りない見通しなら、値上げか一時金の徴収が議題に上がる可能性があります。
総会の議案書にも、ぜひ目を通してみてください。
(2026年8月時点の一般的な考え方です。個別の判断は管理会社や専門家にご相談ください)
まとめ
マンションの売り時を考えるとき、築年数と相場だけを見ていては足りません。
-
- 修繕積立金の値上げは、買い手の毎月の負担が増えることを意味します
-
- 値上げは総会で決まります。長期修繕計画を見れば、時期はある程度読めます
-
- 管理の実態は重要事項調査報告書に書かれています。作っている私が言いますが、見ている人はほとんどいません
-
- 投資目的の所有者が多く、滞納が繰り越されている管理組合は危険です
-
- 大規模修繕の前後より、値上げが決まる前に動くことのほうが大事です
私自身、修繕積立金が上がったことをきっかけに売却を決めました。
結果として、納得のいく価格で手放すことができました。



値上げは
売り時を教えてくれる合図
でもあるんです
あなたのマンションの管理状態は、書類として存在しています。
買い手は見ていないかもしれません。
それでも、売る前に一度、自分の目で確かめてみてください。
売却の準備を始めるなら、まずは今の価格を知ることからです。査定の受け方についてはマンション査定で損しない5つのコツにまとめています。
まずは今の価格を知ることから
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売却と賃料、両方の査定を同時に受けられるのも特徴です。
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