【築40年以上】マンションの行く末⑧所有者の高齢化問題。(終活/支援制度編)




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マンションをローンで買ったときはまだ若かった。

ようやくローンも完済し、子供たちはそれぞれ独立し、お父さんは無事に定年退職。

65歳も過ぎて年金ももらえるようになった。

夫婦2人で食べていくくらいなら・・・

これからボチボチ暮らしていければいいやと思っていた。

なのにある日「マンションを建替えます!」だって!?

タダで新しいマンションに移り住めるならいいけど、どうやら建替えにはお金がいるらしい。

それもまとまったお金。

「年金生活なのに今更どうすりゃいいんだよ~~~~!?」

そんな悩みをお抱えではないですか?

ニャアちゃん

うちのご主人様が困ってるニャ・・・

今回はマンションの終活問題で話が進みづらい理由の一つでもあるご高齢の区分所有者さんへの支援制度のお話です。

この記事の結論!

  • 高齢者向け返済特例制度」を利用しましょう!
ニャアちゃん

高齢者向け返済特例制度って何かニャ?

ソボちゃん

詳しく解説するね

目次

「高齢者向け返済特例制度」とは

マンションの建替え事業などで供給される住宅を、満60歳以上の方が自ら居住するために購入する場合に利用できる融資です。

マンションの建替えが決まったけれど「一戸あたり1,000万円が必要」と言われて途方に暮れる方もいらっしゃると思います。

そんなお金はない。

あったとしても何かあったときのために貯金を使い果たしたくない方も多いはず。

ニャアちゃん

でもうちのご主人様は高齢なので
銀行はお金を貸してくれニャいのでは?

そんなときに住宅金融支援機構による「まちづくり融資(高齢者向け返済特例制度)」を利用してはいかがでしょうか?

ソボちゃん

返済はナント利息のみ

ニャアちゃん

え?利息だけでいいのかニャ?

申込本人(連帯債務者も含みます。)全員がお亡くなりになるまでの間は利息のみのお支払いでいいので毎月の返済額を軽減できます。

※高齢者住宅財団の保証を利用する「保証ありコース」と同財団の保証を利用しない「保証なしコース」の2つがあります。


「保証ありコース」「保証なしコース」は、保証料、保証限度額設定料および保証事務手数料の要否や金利水準などが異なります。

ニャアちゃん

それなら年金暮らしのご主人様でもなんとかなりそうだニャ

元金は、申込んだ本人(連帯債務者含む)全員がお亡くなりになったときに、相続人の方から融資住宅および敷地の売却などの方法で一括して返済します。

毎月の返済は利息のみ

なんといっても毎月の返済は利息のみでいいのが嬉しいです。

例えば1,000万円を借り入れた場合の毎月の返済額は下記のようになります。

①「保証ありコース」は、住宅の売却などにより返済しても、残債がある場合、相続人の方が残債務の返済義務を負うことになります。(その分利率が少し低い)


②「保証なしコース」は、住宅の売却などにより返済して残債務があっても、相続人の方に残債の請求はしません。(その分利率が少し高い)

スクロールできます
①高齢者向け返済特例制度
保証あり
②高齢者向け返済特例制度
保証なし
③一般的な返済方法
(10年元利均等返済の場合)
月々の返済金額14,083円29,083円87,995円

「高齢者向け返済特例制度」は元金返済が不要のため毎月のご返済額を低く抑えられるので、年金収入のみの方でもご利用しやすい制度です。

※利率は令和5年5月現在の金利①は1.69%、②は3.49%、③は1.09%で試算しています。

※利率は毎月見直しされ、借入申込時の金利が適用されます。

ソボちゃん

元金が入っていない分、月々の返済は楽だよね

「高齢者向け返済特例制度」の利用条件

資金使途

再建設されたマンションに自ら居住される高齢者のうち、通常の返済方法では返済が困難な方への購入資金となります。

ソボちゃん

通常の元金+利息の返済ではしんどい
高齢者の方にオススメです

融資対象者

次の1~4すべてに当てはまる個人の方

  1. 借入申込時に満60歳以上の方(連帯債務者(配偶者等)となる方がいる場合はその方も満60歳以上である必要があります。)
  2. ご自身が住まれる住宅を建設または購入する方
  3. 日本国籍の方または永住許可などを受けている外国人の方
  4. 年収に占めるすべての借入れの年間合計返済額の割合(=総返済負担率)が、次の基準を満たしていること。(連帯債務者の収入を合算することができる場合があります。)
スクロールできます
年収400万円未満の場合30%以下
年収400万円以上の場合35%以下

例えば、年収200万円の方の場合、月々の返済額は50,000円以下(200万円×0.3/12カ月)であること。

年収500万円の方の場合は、月々の返済額は145,833円以下(500万×0.35/12)であること。

融資限度額

「保証ありコース」の場合

次の1または2のうち、いずれか低い金額

  1. 2,000万円
  2. (一財)高齢者住宅財団が設定する保証限度額
ソボちゃん

建設または購入時に負担する額が上限です

ソボちゃん

融資額については100万円以上、10万円単位となります

保証限度額については、不動産鑑定士による担保評価(※)に基づき保証機関から「保証限度額証明書」が発行されます。

(※)担保評価の結果次第では、保証限度額証明書が発行されない場合があります。

また、保証限度額証明書が発行された場合でも、機構の融資審査の結果、融資をご利用できない場合があります。

ソボちゃん

その場合でも保証限度額設定に要する費用は返金されません


なお、次の(1)または(2)のいずれかにより、担保評価を省略して「保証限度額証明書」を発行できる場合があります(保証限度額設定料は必要となります。)。

(1)マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成14年法律第78号。以下「マンション建替え円滑化法」といいます。)や都市再開発法により認可された権利変換計画に定める建替え後の価額

(2)固定資産評価証明書や不動産鑑定評価などの資料(直近のもの)

「保証なしコース」の場合


次の1または2のうち、いずれか低い金額

  1. 5,000万円
  2. 機構による担保評価額(建物および土地の評価額の合計額×60%)
ソボちゃん

建設または購入時に負担する額が上限です

ソボちゃん

融資額については100万円以上、10万円単位となります

建物および土地の評価額の合計額については、建設費または購入価額を確認できる資料(権利変換計画書の写し、請負(売買)契約書の写しなど)に基づく建替え後の価額とします。

返済期間

申込みをした本人(連帯債務者も含む)全員がお亡くなりになったときまでです。

ニャアちゃん

ご主人様が亡くなっても奥様は返済しながらそのまま住めるんだニャ

返済方法

利息のみ毎月ご返済いただきます。

元金は申込本人(連帯債務者も含みます。)全員がお亡くなりになったときに、相続人の方から融資住宅および敷地の売却などの方法により一括してご返済していただきます。

ニャアちゃん

元金が減少しないので、その分、総支払利息は
一般的は返済方法(元利均等返済など)よりも多くなるニャ

①「保証ありコース」は、住宅の売却などにより返済しても、残債がある場合、相続人の方が残債務の返済義務を負うことになります。(その分利率が少し低い)


②「保証なしコース」は、住宅の売却などにより返済して残債務があっても、相続人の方に残債の請求はしません。(その分利率が少し高い)

ソボちゃん

自分が亡くなったあと相続人(子供)に迷惑をかけたくないから
「保証なしコース」を選ばれる方が多いです

担保

建物および土地に住宅金融支援機構のために第1順位の抵当権を設定します。


担保設定に要する費用(登録免許税、司法書士報酬など)は申込者の負担となります。

保証人

「保証ありコース」の場合
住宅金融支援機構が承認している保証機関(一財)高齢者住宅財団の保証を利用すること。

※ 保証に当たっては、融資金×6%の保証料、保証限度額設定料(33,000円(消費税込))および保証事務手数料(77,000円(消費税込))の費用がかかります。


②「保証なしコース」の場合
保証人は必要ありません。

火災保険

返済終了までの間、融資対象となる建物に火災保険を付ける必要があります。

火災保険料は申込者の負担となります。

「高齢者向け返済特例制度」のデメリット

長生きすると支払い利息は増える

毎月の返済が利息のみであるため、返済負担は小さくなります。

しかし、元金を繰上返済しない限り、返済はずっと続きます。

つまり、長生きすればするほど利息の総支払額は増えていくので、返済期間が長期化すれば、利息の総支払額が膨大な金額になってしまう恐れもあります。

65歳で借りた場合、80歳で亡くなった場合と95歳で亡くなった場合では利息は2倍支払うことになります。

ソボちゃん

人間の寿命だけは誰にもわかりません

通常の金利より高い

一般的な住宅ローンの金利より高く設定されています。

申込本人(連帯債務者も含みます。)全員がお亡くなりになった後に相続人の方が残債務の返済義務を負わない「保証なしコース」は一般的な住宅ローンの3倍くらいの利率になっています。

ソボちゃん

それでも生きてる間、利息だけで住めるのなら
利用価値はありますね

借入限度額は担保評価額の60%程度

借入限度額は、担保評価額の60%程度となっています。

融資手数料等も必要なため、ある程度の頭金は必要となります。

「高齢者向け返済特例制度」のまとめ

「高齢者向け返済特例制度」は、融資を受けた本人が生存している期間中は、融資額の利息分だけを毎月返済していき、その後本人が亡くなった際に、物件を担保として売却して元金を返済する融資制度です。

満60歳以上の方が対象となっていますので、通常の住宅ローンでは借入できない、また返済が苦しい高齢者の方にも利用しやすくなっています。


住宅金融支援機構が行っている住宅ローンですので、安心度も高い商品となっています。

ニャアちゃん

うちのご主人様もこれを利用して
新しいマンションに住み替えれるニャ

ソボちゃん

これからも一緒に暮らしていけるから
ニャアちゃんも安心だね♪

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