隣の家の木がうちの敷地に
はみ出してきてるんだ
どうしたらいいんだろう?
お隣に生えている木。
剪定されず放置されているため、どんどん枝が伸びてきて困っていませんか?
私も困っていたので弁護士さんに相談してみました。
お隣の家の木のことで困っていませんか?
- 隣の木からの落ち葉が敷地に落ち、掃除の手間が増える
- はみ出た枝葉や実により、害虫や鳥などが集まってくる
- 隣の木の枝葉によって、日光が遮られ家の室内が暗くなる
- 木の枝が建物やフェンスにあたり、外壁やフェンスが傷つく
- はみ出た木の樹液で車の塗装に悪影響を与える
毎日落ち葉の掃除が
大変なんだよ
弁護士さんに相談した経験が
あるのでそのお話をするね
この記事でわかること
- 交流がある隣人ならば直接話し合うのがベスト
- 相手への伝え方のポイント
- 所有者がわからない場合の相談先
- 電線にかかっている場合は電力会社に相談する
- 市役所や警察は木を切ってくれない
- 民法上は隣の家の木でもはみ出してる枝はこちらで切っても良い
- 但し、手続きをふむことが大切
- 剪定代金は請求できるが、応じてくれない場合は裁判になる
詳しく解説するね
隣の家の木が敷地にはみ出してくると迷惑な理由
隣のお家の木がこちらの敷地にはみ出してくると、日常生活に色々な影響を与えますよね。
木は自然に成長するものであり、その枝葉が敷地を越えることは珍しくありません。
とはいえ伸びてきた枝葉が日光を遮ったり、落ち葉や枝の掃除を増やすなど、木がはみ出てこられた側にとっては非常に迷惑な話です。
例えば、秋になると隣の木からの落ち葉が敷地内に散乱し、掃除に時間を取られます。
また、大きな木の枝が家の窓に接触し、風で擦れたり倒れたりすることで、外壁やガラスにダメージが生じることもあります。
さらに、害虫がはみ出した枝葉に集まり、家や庭の環境が悪化するケースも報告されています。
このような問題は、早めに対処しておかないと住環境やお隣との関係に良くありません。
なんとかして欲しいな
よその敷地に木が伸びていても気がつかない人の特徴
そもそもなぜよその敷地に
木が伸びているってことに
気づかないんだろう?
気づかない人の特徴って
こんな感じ
よその敷地に木が伸びていても気がつかない人の特徴
- 外にあまり出ない人
- 庭の手入れをしない人
- 忙しい人
- 景観や環境に無頓着な人
こっちは迷惑なのに
向こうは気づいていないって
なんだかモヤモヤするな〜
いくら相手が気づいていないといっても、実際にこちらはストレスですし、そのまま放置はできないですよね。
なので先ずは、このような状況になっているということをきちんと相手に知ってもらう必要があります。
でもなんだか言いにくいんだよ〜
わかるよ
言うタイミング悩むよね~
相手に伝えにくいのはなぜ?
きちんと相手と話ができるのならいいのですが、なぜか躊躇してしまう理由は次のようなことです。
- ご近所との関係が悪くなるのが恐い
- トラブルを大きくしたくない
- タイミングや伝え方がわからない
気遣いできる人ほど
こんな風に思うよね
ご近所との関係が悪くなるのが恐い
相手との関係が良好な場合、たとえ木のことでも、苦情を言うことで関係が悪くなるのではないかという不安があります。
ご近所のお付き合いが気まずくなるのを避けたい気持ちが強いです。
これから挨拶しにくく
なったりしたら嫌だよ
トラブルを大きくしたくない
木が伸びていることが些細なことなんじゃないかと感じた場合、「これくらいのことで不満を言うのは大げさかもしれない」と思ってしまい、話を切り出すことをためらうことがあります。
ちょっとくらいなら
大目に見た方がいいのかな
タイミングや伝え方がわからない
どのように話すのがベストなのかわからず、適切な言葉を考えるのが難しいと感じることがあります。
特に、相手に気を悪くさせずに伝える方法を考えると、言い出しにくいです。
気まずくなったら嫌だな
どうしたら気まずくならずに
相手に伝えられるか教えるね
相手への伝え方のポイント
相手に動いてもらったり何かをしてもらわないといけないということは意外と言い出しにくいものです。
ましてやご近所さんとなると余計に気を使いますよね。
なるべく上手に相手に伝える方法のポイントは次の4ステップです。
- 穏やかな口調で相談する
- 困っていることを具体的に伝える
- お願いとして提案する
- 相手の都合を考慮する
くわしく解説するね
1.穏やかな口調で相談する
まずは、穏やかな口調で「ちょっと気になることがあるのでご相談したいんです」と、穏やかに話を切り出しましょう。
トラブルというより相談という形になれば、相手も話が聞きやすくなります。
決してクレームっぽく
切り出さないでね
2.困っていることを具体的に伝える
自分が困っている理由を具体的に伝えましょう。
例えば、「木の枝が家にかかってきているので台風の時など少し心配なんです」や「落ち葉の掃除が大変になってきているのです」 など、実際にどんな影響があるのか説明すると、相手も理解しやすいです。
相手はあなたが困っている
ことに気づいていないので
具体的に伝えましょう
3.お願いとして提案する
「もしよかったら、枝を少し切っていただくことはできませんか?」と、お願いする形で伝え、相手に強制する印象を与えないようにすると協力を得やすくなります。
「木を切って下さい」は
相手の受け取り方によっては
命令されたように思うことも
あります
4.相手の都合を考慮する
「ご都合の良い時でいいので…」や「お手すきの際お願いできますか?」と、相手の都合を尊重することで、気持ち良く対応してもらえる可能性があります。
あくまでも相手の意志で
動いてもらうように
しましょう
第三者に仲介してもらうのはおすすめしません
どうしても直接言うのが難しいなと思う場合は、管理会社や町会など、第三者に相談して間に入ってもらう方法もありますが、あまりおすすめはしません。
この場合、相手からすると「どうしてこちらに直接いわず、他人に相談するんだ」と思う人もいます。
話を大きくしたと捉えられてしまし、関係がギクシャクしてしまうリスクもあることを覚悟して下さい。
あくまでも当事者同士の穏やかな話し合いが今後の関係を保つポイントです。
相手が不在がちで
中々会えない場合は
どうするの?
その場合の対処法を
教えるね
直接話し合うのが難しい場合の対処法
当事者同士が直接話し合える場合は良いのですが、隣の家の所有者が不明、空き家、いつも留守など、直接話し合うのが難しい場合もあります。
そのような場合は、相手の顔もわからなければ普段からのコミュニケーションもありません。
私の場合はこのパターンでした。
私が実際に動いた
方法を解説しますね
私の場合は、お隣が森のような雑木林になっていました。
所有者もよくわかりませんし、交流もありません。
なのでどうすれば良いのかわかりませんでした。
所有者を調べる
法務局で登記事項証明書を発行してもらうことで、土地や建物の所有者の名前と住所を確認できます。
地番がわからない場合は、先に公図を取得してから登記事項証明書を発行しましょう。
お近くの法務居は次のリンクから探すことができます。
植木屋さんに相談
私の家の植木を毎年剪定してもらっている植木屋さんに相談してみました。
「お隣からはみ出してきている枝を切ってもらえませんか?」とお願いすると
「植木屋が勝手に木を切ると器物損壊罪になるのです。木の所有者に伐採の承諾書を取っていただければ切らせていただきます」と断られました。
勝手には切れないんだね
電力会社に相談
隣の木は大きくなりすぎて電線にかかっていました。
電線にかかっている木を触るのは危ないので電力会社に連絡すると知っていたので電話してみました。
電力会社の人が現地を見に来てくれましたが、3本あるうちの一番下の線にかかっていましたが、それはNTTの線であると言われました。
電力会社の線は一番上の線なので今回は何もできないと言われました。
ちなみにNTTには電話していません。
市役所に相談
所有者がわからないので市役所に相談してみました。
市役所は所有者を調べて手紙を出すと言ってくれました。
ただし、それ以上の強制力はないそうであくまでお願いの文書を発送するだけとのことでした。
ちなみに警察ではこのような問題は取り扱ってくれませんので相談は無意味です。
弁護士に相談
私は不動産会社に勤めているので宅建協会の無料法律相談を受けることができました。
そこで弁護士さんに言われたことが一番実践的で役に立ちました。
ここからは弁護士さんに
教えてもらったことを
詳しく解説していきます
弁護士のアドバイス(実践編)
結論から言いますと隣の木が敷地に伸びてきた場合、こちら側で切ることができます。
またその剪定にかかった費用は相手先に請求ができます。
これは2023年4月に改正された民法第233条に基づく回答です。
民法第233条 竹木の枝の切除及び根の切取り
- 土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。
2. 前項の場合において竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができる。
3. 第1項の場合において、次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることができる。
一、竹木の所有者に切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。
二、竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
三、急迫の事情があるとき。
4. 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。
民法第233条に従う
条文に書いてあるとおり、境界線を越えてきた木の所有者に枝を切除させることが基本です。
しかし、催告して相当の期間を与えたにもかかわらず枝を切除してくれなかった場合は、こちら側でその枝を切ることができます。
相当の期間てどれくらい?
ここに出てくる相当の期間は2週間〜1ヶ月とのことです。
弁護士さんは
3週間くらいがいいと
言っていました
枝じゃなくて根の場合は
催告せずに切ってもいいの?
根の場合は、地下にあるため、枝とは違い目で確認することが難しく、また根の成長が建物やインフラに直接かつ重大な影響を及ぼす可能性があるからです。
特に笹などは成長がすごく
コンクリートをも割ってしまう
可能性もあるのです
初めはお願い文書を出す
所有者がどのような人かわからない時もまずは相手への伝え方のポイントに沿ってお願いする形での文書を出しましょう。
相手にこちら側が困っているということをわかってもらうための通知文書です。
この文書は確実に相手に通知した証拠として特定記録で出しましょう。
特定記録とは?
特定記録とは郵便局が提供するサービスです。
特定記録で出すと、郵便局が郵便物の引受けを記録し配達時には受取人の郵便ポストに配達されます。
その際、受領印やサインなどは行われません。
内容証明でなくてもいいの?
内容証明とは、郵便局が「いつ、誰が、誰宛に、どんな内容の文書を送ったか」を公的に証明する郵便サービスです。
確実に受け取った証拠として受取人の受領印やサインを求められます。
そのような場合、受取拒否をする人もいるので郵便物が届かない結果となってしまいます。
今回はまず相手に通知する方が大切なので、特定記録でこちらが文書を出しましたという記録で十分なのです。
無反応の場合、催告文書を出す
通常であれば通知書だけでも相手はなんらかの対応をしてくれるものですが、なんの連絡も対応もない場合は催告文書を出します。
今度は「相当の期間を与えても枝を切除してくれないのであれば、こちら側で切除しますよ」と催告する内容です。
「こちら側で切除した場合の費用は後ほど請求させてもらいます」ということも書いておくといいでしょう。
この文書も特定記録で出します。
相当の期間の後であれば枝を切ってもOK
催告文書を送っても無反応の場合は相当の期間(3週間)後であれば、こちらで枝を切ることができます。
植木屋さんに依頼した場合の剪定費用を請求することはできますが、植木屋さんへの支払いはこちら側がしなければなりません。
また請求をしても相手が払うとは限りません。
え〜
それは困るな
相手が支払ってくれない場合
枝を切ることができてもその費用を相手が払ってくれないと困りますよね。
迷惑かけられたのに
お金まで払うって
納得いかないよ
民法414条にはこう書かれています。
民法414条 履行の強制
第414条 債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定に従い、直接強制、代替執行、間接強制その他の方法による履行の強制を裁判所に請求することができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 前項の規定は、損害賠償の請求を妨げない。
つまり樹木の切除に正当性があれば、樹木の所有者にかかった切除の費用を請求できるということです。
ですので請求することは間違いではありません。
ただし、相手が支払わないというものを支払わせるには裁判が必要となってきます。
裁判をするには法的に沿った手続きをしておくことが重要です。
相手に送った通知書や催告書などを記録を残しておきましょう。
「裁判までするのは…」という場合はそのままになる可能性もあることは知っておきましょう。
払ってくれないと
厄介なんだね
結論としては相手に切ってもらうことが望ましい
枝を切る費用のトラブルを考えると相手に切ってもらうことが望ましいです。
できる限り相手に動いてもらえるように持っていきたいものです。
その上でこちら側で枝を切ることになった場合は、良い剪定業者を選びましょう。
剪定業者の選び方
いざこちらで枝を切ることになってもどこに依頼すればいいのかわからない場合はこちらから見積もりをしてもらうといいですよ。
伐採グループは無料で出張査定(キャンセル料、出張費無料) をしてくれます。
まずはお見積もりしてもらってはいかがでしょう。
\ 庭木1本からでもOK /
手紙の書き方
隣の木が越境している場合に木を切ってもらうための通知書のテンプレートです。
内容は状況に応じて調整してご使用ください。
通知書
通知書
[相手の氏名または会社名]
[住所]
令和〇年〇月〇日
[ご自身の氏名または会社名]
[住所]
[電話番号]
拝啓
秋涼の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。日頃より大変お世話になっております。
さて、貴宅の庭木について一言お願いがあり、ご連絡差し上げます。現在、貴宅の敷地に植えられている[木の種類]の枝や葉が当方の敷地内に越境している状況が見受けられます。このため、当方の敷地において次のような問題が生じております。
・落ち葉が多くなり、掃除が大変になっています。
・日差しが遮られて庭が暗くなっています。
・電線に枝がかかり危険ではないかと思います。
つきましては、誠に恐縮ですが、貴宅の庭木の枝を適切に剪定していただきますようにお願い申し上げます。
早急に対応していただけると幸いです。
なお、剪定の日程については、ご都合に合わせて調整いただければと思いますので、ご一報いただければ幸いです。
お手数をおかけいたしますが、何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
敬具
[ご自身の署名または会社名]
催告書
上記の通知書で対応がなされなかった場合の催告書のテンプレートです。
状況に応じて調整してご使用ください。
催告書
[相手の氏名または会社名]
[住所]
令和〇年〇月〇日
[ご自身の氏名または会社名]
[住所]
[電話番号]
拝啓
平素より大変お世話になっております。
先般、令和〇年〇月〇日付けでお送りしました通知書にて、貴宅の[木の種類]の枝が当方の敷地に越境している件について、剪定をお願い申し上げましたが、現在のところ対応がなされていないようです。
その後も枝が当方の敷地に越境しており、[具体的な問題例: 落ち葉による掃除の負担、日照の問題など]といった問題が引き続き発生しております。
つきましては、誠に恐縮ではございますが、本書到達後〇日以内にご対応いただけますよう、再度お願い申し上げます。もし、期限までに対応いただけない場合は、やむを得ずこちらで剪定をさせていただきます。
尚、その際、剪定にかかった費用はご請求させていただきますことを、何卒ご理解ください。
何かご不明点やご相談がございましたら、どうぞご遠慮なくご連絡ください。
ご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
[ご自身の署名または会社名]
まとめ
隣の木が敷地内にはみ出してくると落ち葉の掃除が大変だったり、日当たりが悪くなったり困ることが多いですよね。
しかし邪魔な枝だからといっても他人の木を勝手に切ってはいけません。
ポイントは次のとおり。
基本は穏やかに話し合い相手に切ってもらうのが望ましい。
上手に話し合うコツについてもお話ししました。
- 穏やかな口調で相談する
- 困っていることを具体的に伝える
- お願いとして提案する
- 相手の都合を考慮する
その上で枝を切ってくれない、また隣が空き家、不在がちで話し合いが難しい場合
- 相手に事前通知を行う
- 事前に相手に剪定を求めても無視された場合は、相当の期間の後、こちらで枝を切ることができる
- その場合の費用は請求できる
- ただし、相手が支払わなければ裁判や調停を通して費用を請求することになる
- その場合、事前の通知や相手が応じなかった記録が重要となる
- 法的な紛争に発展する場合は、弁護士に相談することを推奨
願わくば、そこまでのトラブルにならないように事前の対話での合意が理想的ですね。
こちらで枝を切る場合に注意することは次のとおりです。
- 切る前の状態を写真で撮っておく
- 必要以上に切りすぎない
隣の木の枝に悩まされている方の参考になれば嬉しいです。
モヤモヤから解放されて明るい日差しを浴びてスッキリと毎日を過ごしましょう♪
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