賃貸住宅から退去するときに請求される「原状回復費用」
これって6年以上住めばチャラ(0円)に
なるって聞いたけど本当かニャ!?
そんな疑問を抱えていませんか?
ここでは賃貸住宅から退去する際に一番トラブルになる「原状回復」について解説します。
この記事を読んで正しく知識をつけてください。
巷で流れている「長く住めば現状回復費用は払わなくていい」が真実なのか見ていきましょう。
詳しく解説していくので
最後まで読んでね
現状回復義務とは?
ピカピカの賃貸住宅を借りて住み始めるときは新しい壁紙だったり、新しいクッションフロアだったり、新しい洗面台だったりして気持ちいいですよね。
数年後、退去するときはこれらを「現状回復しなければいけない」と言われます。
新品で借りたなら新品にして返すのかニャ?
そんな風に思い込んでる人もいるようです。
実はそんなことはないんだよ
自然に損耗するものは負担しなくてよい
家賃にはそのお部屋を借りるというだけではなく使用する権利が含まれています。
長年住めば壁紙や畳は日焼けしますし、家具を置いたらクッションフロアに凹みもつきます。
普通に暮らしていて自然に損耗するものは家賃に含まれているのでそれを負担しなくてもいいのです。
なので壁紙を新品に戻す必要はありません。
じゃあ何を請求されるのかニャ?
故意・過失による損耗は負担しなければならない
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると次のように定義されています。
「原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他の通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること
どういうことかニャ?
つまりは賃借人が不注意で物を落として傷をつけたり、ガラスを割ったりしたら賃借人の負担で直して下さいってことです。
退去するときに指摘されるよ
長く住めば現状回復費用はいらない?
最近、「6年以上住めば現状回復費用は払わなくていい」という噂を聞くことがあります。
しかし、これは間違いです。
まず、なぜこのような噂が
流れているのか解説していきます
耐用年数について
耐用年数ってなにかニャ?
設備などはそれらの効果を利用できる年数というものが決められています。
例えばいくら高価で優れた機能のエアコンだとしても100年は使えませんよね。
それは無理だニャ
だけど6年だったら使えそうでしょ?
そのように各設備によってこの年数なら問題なく効果を落とさず利用できるという年数のことを「耐用年数」と呼びます。
〈主な耐用年数はこちら〉
このように壁紙(クロス)は耐用年数が6年です。
なので6年以降の壁紙(クロス)の価値はなくなる(実際は1円になる)ので6年以上住んでいたら現状回復費用を払わなくていいという噂が流れているのです。
ただし、これは自然損耗の場合です。
もしも賃借人が故意に壁紙に落書きをしてしまった場合は壁紙の材料代はかからないかもしれませんが、落書きを消すための費用(工事費や人件費等)などについては請求される場合があるということを知っておきましょう。
経過年数の考え方
賃貸住宅を1年住んで退去する人と、10年借りて退去する人と比べてみましょう。
お部屋の自然損耗は1年より10年の方が多いのは当然のことですよね。
それだけ長く使用していたのですから。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にもこう書かれています。
賃借人の負担は、建物や設備等の経過年数を考慮し、年数が多いほど負担割合を減少させることとするのが適当である
つまり長く住んだ人はその分、現状回復費用の負担割合を少なくしましょうということです。
賃貸住宅を1年しか借りていなかった人と、10年借りていた人だと同じ毀損内容でも10年の人の方が負tな割合は少なくすみます。
時間が味方につくということですね。
次はいくら住んでも経過年数を
考慮しないものについて説明するね
長く住んでも経過年数を考慮されないものとは?
消耗品
次のようなものは消耗品としての性格が強く、損耗の度合いにかかわらず価値が減少するので経過年数を考慮せずに故意・過失で損耗してしまった賃借人の負担とします。
- 襖紙
- 障子紙
- 畳表
どういうものが消耗品とされるかというと使用可能期間が 1 年未満のもの又は取得価額が 10 万円未満のものなどです。
長期間の使用に耐えられる部位であり部分補修が可能な部位
ん?よくわからないニャ
例で話すね
例えば、フローリング等の一部を毀損してしまった場合。
部分補修については、経過年数を考慮することにはなじまないと考えられます。
フローリングを例にとると、部分的に補修をしても、将来的には全体的に張替えるのが一般的であり、部分的な補修がされたからといっても、つぎはぎ状態になってしまいフローリング全体としての価値が高まったといえないからです。
なお、フローリング全体にわたっての毀損によってフローリング全体を張り替えた場合は、経過年数を考慮します。
賃借人が負担する範囲について
よくトラブルになるのが負担する範囲についてです。
うっかり壁紙で爪とぎしちゃったニャ
でもちょっとだけだニャ
壁等のクロスの場合、傷をつけた箇所が一部であっても他の面との色や模様あわせを実施しないと商品価値を維持できない場合があることから、毀損部分だけでなく部屋全体の張替えを行うことが多いです。
ちょっとだけの傷でもそこだけを張替えられないからね
傷つけたとこだけ絆創膏みたいに貼れないのかニャ
この場合に問題となるのが、部屋全体のクロスの色や模様が一致していないからといって、賃貸物件として成り立たないわけではなく、逆に部屋全体のクロスの色・模様を一致させるのは、グレードアップに相当するということです。
ですので毀損箇所を含む一面分の張替費用を、毀損してしまった賃借人の負担とすることが妥当と考えられます。
絆創膏みたいには無理だけど
一面だけの張替えなら妥当です
しかし、実際の退去費用の請求のときは、一面だけでなく部屋全体の壁紙の張替えを請求されてる人も多いのでここはちゃんとチェックしてください。
まとめ
賃貸住宅に長く住めば現状回復費用がかからなくなるという噂は間違いです。
耐用年数によって残存価値がほとんどなくなるものはありますが、故意・過失で毀損してしまった場合はそれを修理する人件費や工賃などがかかることがあります。
また消耗品や、建物の一部と見なされるフローリングの部分補修などは耐用年数を考慮しないこともあるということを知っておいてください。
どんな古い物件でも爪とぎはしてはいけないんだニャ
大切に使えば100年でももつお家もあるからね
わざとお家を傷つけるのは絶対ダメだよ
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