賃貸住宅の退去のときに管理会社から思いがけず高い費用を請求されて焦ったことはありませんか?
退去するときにこんなにお金がかかるって
びっくりニャ!
冷や汗タラリだよね・・・。
気持ちは次の新居に向いていたのに・・・
「えらいこっちゃ!」ですよね。
でも安心してね
この記事では
請求された退去費用がはたして本当に正当な金額なのか?
最小限に抑える方法はないのか?
とお悩みの方へ耳より情報をお伝えします。
賃貸住宅の退去費用ってあまり知られていないことが多いので余計な費用まで取られないようにしっかり解説しますね。
知っておいてほしいこと満載です
この記事の結論
- 入居者は自然に損耗するものは負担しなくてよい
- 入居者は故意・過失による損耗は負担しなければならない
- 現状回復費用は借りた当時の状態に戻すことではない
- 現状回復費用は「残存価値」で計算すればよい
- 残存価値がなくても使用可能なものを故意・過失で損耗してしまうと責任が生じるので注意
- 自分の過失でつけた傷は加入している火災保険を確認する
- 特約に書いてあっても無効になることがある
詳しく解説するね
賃貸住宅の退去費用とは何か?
そもそも賃貸住宅を退去する際の退去費用をご存じでしょうか?
賃貸住宅を契約するときは、月々の家賃や、部屋のきれいさ、間取りなどを気にする方は多いですが、実は退去時にかかる追加の費用も考慮することが重要なのです。
賃貸住宅の退去費用とは何を含むのか、なぜそれが重要なのかを解説します。
入居するときは退去のことは
あまり考えてないからニャ~
賃貸住宅の退去費用とは?
賃貸住宅の退去費用とは、入居者が賃貸物件を退去する際に発生する費用の総称です。
これは賃貸住宅を家主さん(オーナー)に返却する際にかかる費用です。
- 現状回復費用
- クリーニング費用
- 修繕費用
- 預り金の精算
- 未払い家賃や光熱費の精算
- 鍵の交換費用
- 不用品の処分費用
賃貸住宅の退去費用は、入居者にとって予期せぬ追加費用となることがあるため、契約時にしっかりチェックしておくのが賢明です。
賃貸契約書の中身をしっかり確認しておきましょう。
これから新しい部屋に
引っ越しする人もチェックしてね
賃貸住宅の退去費用の主な項目
退去費用として色々な項目があがってくることがあります。
一つずつ解説していきます
①現状回復費用
これが一番よくわからないものではないでしょうか。
現状回復とは住宅を借りたときの状態に回復することではなく、賃借人の故意・過失等による劣化の回復を意味します。
言葉のイメージがそう思わせるんだニャ
きれいな新品状態に戻すことではないんだよ
②クリーニング費用
賃貸物件を清潔な状態に戻すための費用です。
これには床や壁の汚れ、キッチンや浴室、トイレなどの掃除が含まれます。
汚部屋にしてた人は要注意です。
私はきれい好きだニャ
③修繕費用
入居中に発生した通常の損傷や修理が必要な個所の費用のことです。
壁の穴埋め、ドアの修理、設備の交換などが該当します。
④預り金の精算
契約時に支払った預り金からクリーニング費用や修繕費用を差し引いた残額が返金されることがあります。
不足している場合は請求されます。
⑤未払い家賃や光熱費の精算
入居者が滞納した場合、これらの支払いを精算する必要があります。
⑥鍵の交換費用
鍵を失くしたり、交換が必要な場合の必要が含まれます。
⑦不用品の処分費用
処分できなかった不要な家具や物品の処分にかかる費用を請求されることがあります。
色々な項目があるんだニャ・・・。
これらの項目は賃貸契約書や地域によって異なる場合があります。
具体的な費用は契約書を確認し、お互い明確にすることが大切です。
これらの費用を最小限に
抑えるためのポイントを
解説していくね
退去費用を最小限に抑えるための実用的なアドバイス
賃貸住宅を退去する際の退去費用は、できることなら最小限に抑えたいですよね。
ここでは、退去時に発生する費用を削減するための実用的なアドバイスをご紹介します。
①入居者は自然に損耗するものは負担しなくてよい
賃貸住宅には時間の経過とともに自然に損耗していくものがあります。
入居者は自然損耗に関しては負担をしなくてもよいのです。
例えば・・・
- 畳の日焼け
- 経年による壁紙の黄ばみ
- 冷蔵庫やテレビなどの裏にできる壁の電気焼け
- 家具を設置したときのフローリングのへこみ 等。
こういう費用は家賃に含まれています
じゃ、何を負担しなくちゃいけないのニャ?
②入居者は故意・過失による損耗は負担しなければならない
入居者が退去するときに負担しなければいけないものは故意・過失による損耗です。
例えば・・・
- 壁の子供の落書き
- 物をぶつけて破損したガラスや壁
- 掃除をしなかったためにできたバスやトイレの水垢やカビ
- タバコのヤニ汚れや焦げ跡 等。
自然に壊れたのではなく、わざと壊したり、不注意で傷をつけたり、掃除を怠ったりしてできた汚れなどは、入居者の使い方に問題があったとみなされ、その修繕費用は入居者が負担しなければなりません。
壁で爪とぎしてたのはヤバイんだニャ・・・。
ちゃんとご主人様に爪とぎを
買ってもらってね(苦笑)
③現状回復費用は借りた当時の状態に戻すことではない
よく勘違いされる「現状回復」とは、建物の通常損耗分をもとの状態に回復することではなく、賃借人の故意・過失等による損耗の回復を意味します。
そして一番勘違いされることが、「借りたときの状態」に戻すことではないのです。
借りたときの状態に戻さないと
いけないと思ってたニャ
そう勘違いしてる人が多いんだよ
もしも賃貸住宅に入居するときに壁紙もフローリングも全て新品の状態で借りたとしてもその状態に戻さなくてもいいのです。
原状回復費用は、すでに賃料として支払っている経年劣化と通常損耗分を差し引いて考えるのが基本なのです。
え~!?
知らなかったニャ!
実はこのような損耗は残存価値て負担すればいいってご存じでしたか?
これを知らない人が多いよね
④現状回復費用は「残存価値」で計算すればよい
「残存価値」って何かニャ?
「残存価値」とは耐久年数が経過したあとに残る価値のことです。
「耐久年数」って何かニャ?
「耐久年数」とは通常使用した場合、この期間であれば問題なく使用できる年数のことです。
わかりやすくいえば
「物の使用可能な期間」だね
賃貸住宅の耐久年数は国土交通省のガイドラインで定められています。
たとえば・・・
部屋の多くを占めるクロスの耐久年数は6年とされています。
仮に3年住んだお部屋のクロスの張り替えに10万円かかるとします。
クロスの耐久年数は6年なので、居住期間が3年であればクロスの残存価値は50%となります。
入居者が支払う原状回復費用も10万円の50%で5万円となるのです。
えっ!?
じゃあ、6年以上住んでいたらクロスの残存価値はないのかニャ!?
その後は壁で爪とぎ放題になるのかニャ!?
おっと!
それは違うんだよ
⑤残存価値がなくても使用可能なものを故意・過失で損耗してしまうと責任が生じるので注意
賃貸住宅の退去費用の問題はよく争われています。
国土交通省住宅局から出ている「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では
「経過年数を超えた設備であっても、継続して賃貸住宅の設備等として使用可能な場合があり、このような場合に賃借人が故意・過失により設備等を破損し、使用不能としてしまった場合には、賃貸住宅の設備等として本来機能していた状態にまで戻す、例えば、賃借人がクロスに故意に行った落書きを消すための費用(工事費や人件費等)などについては、賃借人の負担となる。」と書かれています。
このように、たとえ残存価値がゼロでも、まだ使える設備等を破損したような場合は、元の状態に戻す費用を負担しなければならないのです。
具体的いえば、クロスそのものの材料代は負担しなくていいとしても、クロスを張り替え作業をする職人さんの工事費や人件費等を払わなければならないことがあるということです。
ひと様のものを借りて住んでいるんだから
好きに傷つけていいなんてことは絶対にないよね
ハイ、反省するニャ・・・。
「長い間家賃を払って住んでいたんだから」と他人の所有物のガラスを割ったり、壁に落書きしていいなんてことは絶対にないのでここは注意して下さいね。
常識的に家主さんと話し合うことが大切です
⑥自分の過失で損害を与えたときは加入している火災保険を確認する
もしもご自身の過失で住宅に損害を与えてしまった場合は、加入している火災保険を確認してみてください。
賃貸住宅に入居するときには必ず、火災保険に加入します。
火災などで自分の家の家財道具に何かあったときのための基本的な補償に加え、「借家人賠償責任保険」や「個人賠償責任保険」や「修理費用補償」などをセットしたものが一般的です。
借りている部屋へ損害を与えてしまったときの賠償は、契約時に入った火災保険で補償されることがありますのでご自身がどんな火災保険に加入しているのか確認をしてください。
借家人賠償とは・・・
偶然の事故で借りている部屋に損害を与えてしまったとき、部屋の持ち主である大家さんに対する損害を賠償するということです。
ただし借家人賠償責任保険で補償されるのは「火災、破裂・爆発、水ぬれ」などを起こしたときで、それ以外の場合や故意の事故などは補償されませんので注意が必要です。
、
個人賠償責任保険とは・・・
日常生活で他人に対して損害を与えたときに損害賠償するものです。
つまり日常生活のなかで自分がうっかりやってしまったことで他人に迷惑をかけたときのための補償です。
たとえば、自転車走行中に歩行者にぶつかりケガをさせてしまった、散歩中に愛犬が通りがかりの人にかみついたケースなどです。
マンションなどでは、洗濯機のホースが外れて下の階の人に水漏れし、損害を与える事故は、個人賠償責任保険でカバーできます。
修理費用補償とは・・・
借りている部屋のドアや窓ガラスなどを修理したときの修理費用を補償するものです。
「借家人賠償責任保険と何が違うの?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、違いは、損害賠償請求されない、つまり自分のせいではないものの、賃貸住宅の契約上自分が修理しなければならないと決められているものを修理したときの費用を補償してくれるという点です。
たとえば、泥棒によってドアや窓を壊されたり、道路からの飛び石によって窓ガラスが割れたりといった入居者には非がないようなケースでは、修理費用補償から修理費が支払われます。
何かしちゃったときは保険を見てみるニャ
これらの保険は入居中にしか使用できないので、必ず入居中に保険で直せるものは直しておきましょう。
保険をかけてることを忘れている人が多いから
何かあればとりあえず保険をチェックすることを覚えておいてね
⑦特約に書いてあっても無効になることがある
賃貸借契約書に特約が書いてある場合があります。
特約とは文字通り普通の契約とは違った「特別な約束事」として結ぶことです。
賃貸契約書の特約に書いてあるからといって全て従わないといけないということはありません。
特約には次のような要件が含まれている必要があるのです。
過去に最高裁が出した判決の中で、特約が認められるための3つの要件を提示しました。
- 特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在する
- 賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識している
- 賃借人が特約による義務負担の意思表示をしている
さらに、以下の4つの基準から判断します。
①負担範囲の明確性
借主が何に対して負担するのか、具体的に明示する必要があります。
②負担する金額が予測可能か
借主がいくら負担するのか、目安の金額がわかる必要があります。
③原状回復義務を超えた義務を借主が負うことへの認識
本来貸主の負担である内容を借主が負担する場合、その事実を借主側に伝える必要があります。
④正当な負担度合い
借主の負担の額が異常に高額では認められません。相場に適った金額である必要があります。
なんだか難しいニャ
具体的な例をあげるとすれば・・・
- 襖の張替え費用については、借主がこれを負担する。なお、襖の張替え1枚につき2000円とする
この特約文は具体的な個所(襖)、目安金額(1枚2000円)、貸主ではなく借主が負担するとしたうえで、相場からはずれていない金額で書いてあるので認められます。
ただし原状回復義務以上の内容が借主負担となっていることをきちんと契約時に了承していることが重要です。
契約のときに了承していれば特約は有効になるんだニャ
だから契約のときにちゃんと確認しているかどうかが重要なんだよ
まとめ
賃貸住宅から退去するときは思いがけない退去費用の請求がきてビックリすることがあります。
「出ていくときにこんなにお金がいるの!?」と慌てる人も少なくありません。
ただし、その退去費用が妥当かどうかは怪しいことがありますので知っておいてほしい7つのことをご紹介しました。
- 入居者は自然に損耗するものは負担しなくてよい
- 入居者は故意・過失による損耗は負担しなければならない
- 現状回復費用は借りた当時の状態に戻すことではない
- 現状回復費用は「残存価値」で計算すればよい
- 残存価値がなくても使用可能なものを故意・過失で損耗してしまうと責任が生じるので注意
- 自分の過失でつけた傷は加入している火災保険を確認する
- 特約に書いてあっても無効になることがある
上記7つの項目を知っておくだけでも賃貸住宅の退去費用を最小限に抑えることができます。
不動産のことはまだまだ知られていないことが多いのでしっかり学んでご自身を守ってくださいね。
知らないこと多かったニャ
私もこれからは決められたところで爪とぎするニャ
そうだね
ご主人様をあまり泣かせないでね~(笑)
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